てんかんは、大脳が過剰に興奮することにより、けいれんなどのてんかん発作を繰り返す慢性疾患です。
今回、てんかんの患者さんは日常生活を暮らしていく中で注意が必要なことはどんな事か紹介していこうと思います。
目次
てんかんの患者さんは生活上注意が必要なことは何?
- 勝手に他の患者の薬を飲んではいけない
- アドヒアランスを守る事が大切
- 他の薬との相互作用に注意が必要
- 薬の副作用
- 日常生活での注意点について、
- 災害対策
勝手に他の患者の薬を服用してはいけません。
抗てんかん薬は発作の種類によって処方される薬が異なります。
医師は同じてんかんでも、性別、年齢、体重、服用中の薬との相互作用など考慮して処方しています。
一人ひとりの症状に合わせたお薬を処方していますので、他の患者さんの薬を服用しないでください。
アドヒアランスを守る事が大切
アドヒアランスとは、患者が治療方針の決定に賛同し積極的に治療を受けることです。
てんかん治療において大切なことは、処方された薬を用法・用量通りにきちんと服用してもらうことです。
服薬アドヒアランスの不良はてんかん発作の回数の増加だけでなく、薬の副作用、症状の悪化につながります。
服薬アドヒアランスを守ってもらうためには、薬の重要性について理解する事が必要になります。
てんかんのような長期間の薬の服用を必要とする病気においては、患者自身の服薬に対する姿勢も大切ですが、家族のサポートも重要になります。
子供の場合は一人で服薬できない場合があるので家族のサポートが重要になります。
例えば、抗てんかん薬のバルプロ酸の徐放錠については、糞便中に製剤の残渣がみられることがあります。
患者に伝えないとアドヒアランスの悪化につながる事があります。
あとは噛み砕くと薬の溶け出しが速くなってしまうため、噛み砕かずに服用するように伝える事が大切です。
他の薬や食品や健康食品などの相互作用に注意が必要です。
抗てんかん薬以外にも薬を併用している場合があります。
薬によっては吸収や代謝に影響して、効果が減弱したり、増強したりすることがあります。
食品や健康食品でも影響を受ける場合があります。
グレープフルーツジュース、セイヨウオトギリソウ含有食品などは抗てんかん薬の作用に影響することがあるため注意が必要です。
アルコールも影響を与えることがありますので患者に伝える事が大切です。
副作用についてです。
抗てんかん薬の副作用として皮疹、汎血球減少、骨髄抑制、肝障害などみられることがあります。
多くの場合投与開始1、2週~2、3ヵ月以内に生じるため、服用開始初期は注意が必要です。
あとは神経系への抑制による副作用が多く、眩暈、眼振、複視、眠気、嘔気、食欲低下、運動失調、精神症状などがあります。
眩暈、眠気などの副作用の場合は車の運転や危険を伴う作業を行わないよう指導することが大切です。
日常生活での注意点について、
- 運動
- 入浴
- 睡眠
- テレビ、スマホ、ゲームなど注意
- 災害対策
運動
まずは、運動についてです。
てんかん患者さんでも運動は可能です。
運動による適度な緊張によって、けいれん発作が抑制されることが分かってきました。
楽しんで体を動かすことは健康につながります。
運動は健康面だけでなく精神的にも社会的つながりにも良い効果があります。
学校の体育では友だちと共同する力や頑張る気持ちなどを育てるためにも良い機会です。
ただ、運動をするときは万が一のときに備えて救助体制があると安心です。
水泳、海水浴、ダイビングは、てんかん発作を起こすと命に危険を及ぼす可能性があります。
また、疲労、緊張、光でてんかん発作を起こしやすい場合は注意が必要です。
強い日差し、木漏れ日で起こる場合もあります。
主治医と相談して適度な運動を日常生活に取り入れる事が大切です。
入浴
入浴についてです。
入浴時のてんかん発作は、溺れる危険があります。
小児のてんかんに直接関係した死因の中で一番多いのは溺死です。
その中でも風呂での事故が最も多いという報告があります。
対策として誰かと一緒に入浴するようにします。
1人で入らなければならない場合は、時々声をかけたり、返事をさせたりして、異変にすぐに気づけるようにしてください。
あとは湯船のお湯の量を少なめに入れたり、長風呂にならないように注意します。
浴室のドアの鍵はかけないようにしたり、発作がよく起きるときはシャワーだけにしたり、浮き輪を用意したり、転倒してもけがをしないようマットを敷くなど工夫はできます。
お湯を沸かしたりする追いだきの場合も注意が必要です。
もし、お風呂でてんかん発作が起きた時の対処
もし、てんかん発作が起きて浴槽で溺れてしまったら慌てず、最初にしてほしい事はお湯から顔をあげて呼吸ができる状態にします。
できない場合はすぐに栓を抜いて排水します。
そして、意識が回復するのを待って、ゆっくりお風呂から引き上げます。
睡眠
睡眠不足状態になると、発作が現れやすいです。
充分な睡眠時間を確保する事が大切です。
テレビ、スマホ、ゲームに注意
てんかん発作は、光刺激により起こりやすくなることがあります。
1997年、アニメのポケットモンスターを見て光感受性発作が起き、全国で700人以上が搬送されたと大きな問題になりました。
もし、テレビを見る時やゲームをする場合は部屋を明るくして離れて見てください。
最近はスマホやパソコンのゲームなどもあります。
長時間の視聴やプレイは避けるようにしましょう。
災害対策
災害が起こった場合に、てんかん発作を配慮することが大切です。
避難所の生活での不安をできるだけ取り除くため、日頃から準備しておくことが大切です。
災害が起こった場合
災害が起こった場合、慣れない環境での生活はかなりのストレスが生じます。
疲れ、睡眠不足などでてんかん発作の誘因になりますので体を休ませることを優先させてください。
あと、薬が突然切れてしまうと、強い発作が起きるおそれがあります。
災害で交通手段がなく病院に行くことができず、別の病院を受診する場合に、お薬手帳が役に立ちます。
今回はてんかんの患者さんが日常生活でどのような事を気をつけたらいいのかご紹介しました。
こんな記事も書いてます。