漢方の製薬メーカーである松浦薬業は一般用医薬品と医療用医薬品の117品目を2019年8月5日から自主回収すると発表しました。
弊社が製造販売しておりました医薬品につきまして、製造方法につき疑義があったため製品の出荷を自粛させていただいた上で、8月4日までを期限として製造過程の調査を行ってまいりました。
調査の結果、承認書と異なる製造方法による製造を行った上で、不適切な記録管理を行っていたことが確認されたため、愛知県に報告を行ったところ、速やかに該当する製品について回収等の必要な措置を講じるよう指示を受けました。
弊社製造医薬品の自主回収と出荷自粛期間延長のお詫びとお知らせ 松浦薬業株式会社より
目次
漢方製剤の原料ならではの問題・・・
承認を受けた方法とは別の方法で製造していた背景には自然の物を原料にしている事が挙げられます。
生薬は自然の物なので産地や天気の影響や収穫時期によって成分含量のばらつきがあります。
ばらつきがあるという事は、均一性があるかどうかも評価しないといけません。
ばらつきが原因で漢方製剤は確認試験での定量分析や定性分析で適合しないことがあります。
化学合成で製造する医薬品とは違って漢方製剤は難しい一面があります。
そのためメーカーによって品質を保つために自主規格を設定している場合もあります。
松浦薬業はエキス顆粒製造するにあたって全ての有効成分について定量をしていたと思います。
生薬のばらつきがあるので医薬品として適合しない製品少なくなかったと思います。
そのため製品の規格を満たすため、原材料の量や添加剤を加える順番を勝手に変更して製造をしていました。
悪質・・・
どうも報道では発覚しないよう虚偽の製造記録も作成していたみたいです。
そして、発覚しないようにと2種類の記録を作っていました。
これは悪質ですね。
2019年3月の愛知県薬務課の立ち入り検査で発覚しました。
記録は5年間しか残っていないみたいですが、以前から行われていたそうです。
品質管理、製造責任者はわかって製造をしていたと思います。
厳しい事を言うかもしれませんが、会社全体での組織的不正といっても過言ではありません。
製造承認から逸脱しているのなら承認書の変更手続を申請すれば良いのです。
なぜ、変更手続きを申請しなかったのかはわかりません。
今回、松浦薬業は一般用医薬品と医療用医薬品の全117品目の回収となりました。
重篤な健康被害はないですが、松浦薬業は今回の問題を真摯に向き合い改善して信頼を築いてほしいです。
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