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プラルエント皮下注75mgペン、プラルエント皮下注150mg ペンが販売停止に
2020年5月、サノフィはプラルエント皮下注75mgペン、プラルエント皮下注150mg ペンを販売停止すると発表しました。
日本におけるプラルエント®(「プラルエント® 皮下注 75mg ペン」及び「プラルエント® 皮下注 150mg ペン」)の販売が差し止められ、国内において、弊社は今後プラルエント®を販売できないこととなりました。
完全ヒト型抗 PCSK9 モノクローナル抗体『プラルエント® 皮下注 75mg ペン/150mg ペン』販売停止のお詫びとご対応のお願いより
販売中止になる理由は?
サノフィは販売中止になる理由としてプラルエント皮下注の販売が差し止められた為としています。
サノフィはアムジェンとモノクローナル抗体の特許で争っていました。
2015年、サノフィはアムジェンが所有する特許が無効だとして特許庁に無効審判の申し立てをしました。
2017 年5月、アムジェンもサノフィに対して特許を侵害したとして、東京地方裁判所に民事訴訟を起こしました。
2017年8月、サノフィが起こした無効審判の申し立てに対し、特許庁はアムジェンの特許が有効と判断しました。
しかし、サノフィはそれに納得がいかず、特許庁が行った審決に対する不服申立てとして知的財産高等裁判所に審決取消訴訟を起こしました。
2018年12月、知的財産高等裁判所はアムジェンの特許を認める判決を下し、サノフィは最高裁に上告受理の申し立てをしました。
2019年1月、東京地方裁判所はアムジェンの特許を認め、サノフィに対し、プラルエントの生産、譲渡、輸入または譲渡の申し出を禁じる判決を下しました。
しかし、サノフィはその後、知的財産高等裁判所に控訴。
19年10月、知的財産高等裁判所は原判決を支持する判決をしました。
サノフィは判決を不服として最高裁判所に上告の申し立てをしました。
ただ、2020 年 4 月 24 日、最高裁判所により上告を棄却する決定がなされました。
医療機関にあるプラルエント皮下注は?
サノフィは裁判所の判断にそって速やかに適切な対応をするとしています。
販売中止ですが、既に販売済みの製品につきましては差し止めの対象ではないとしています。
プラルエント皮下注と争ったアムジェンのレパーサ皮下注ってどんな薬?
レパーサ皮下注はヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤です。
家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症に使用されるお薬です。
レパーサ皮下注は新規作用機序の高コレステロール血症治療薬でもあります。
レパーサはLDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9に作用することによりLDL受容体の分解が抑制され、LDLだけ分解されることにより肝臓でのコレステロール取り込みを促進し血液中のコレステロールを低下させます。
おさらい
プラルエント皮下注75mgペン、プラルエント皮下注150mg ペンの販売停止に関して書かせて頂きました。
既に販売済みの製品につきましては差し止めの対象ではありません。
長い年月の争いでした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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