スギHDの2019年2月期の連結決算を見てみた

スギHDとココカラファインの両社は2019年6月1日、経営統合に関する検討・協議開始すると発表しました。

そして、ココカラファインは2019年4月に公表したマツモトキヨシHDとの資本業務提携に関する検討・協議も継続しています。

どのようになるか、ドラックストア業界は注目をしています。

今までココカラファイン、マツモトキヨシHDの決算を見てきましたが、今回はスギHDです。

スギHDの特徴は?

スギ薬局は1 9 7 6 年12月に杉浦夫婦二人で始めました。

現在は1,190店舗 と成長し大手のドラッグストア一つになりました。

スギ薬局は調剤併設型を早い段階で作ったドラックストアで有名です。

大きなメリットとしては、調剤を待っている時間に買い物ができることです。

現在のドラッグストアでは、医薬品以外に化粧品、食品などを取り扱う店舗が多くなってきています。

ドラックストアの売上高を年々押し上げていて増益しています。

在宅医療や認知症の患者に対する取り組みをしています。

私のスギ薬局の印象は在宅医療にも対応した、地域連携密着型ドラッグストアです。

特に認知症の患者に対する取り組みを重点的にしています。

認知症患者の継続した服薬管理・適切な指導を手厚くしており、行政と連携した取り組みをしています。

近年では下記の市町村と「見守りの協定」を締結しています。

2017年9月 大阪市、西尾市

2017年10月 常滑市

2018年4月 日進市

2018年10月 知立市

2019年1月 町田市

シニア歓迎の職場づくりにも

2017年11月にシニアの方に活躍する場を創出するシルバーアソシエイツ制度をはじめました。

スギ薬局が65歳以上の高齢者と契約を結び、自分のペースで働ける仕組みを提供しています。

事業は?

  • 調剤事業
  • ヘルスケア事業
  • 在宅医療事業

主にこの3つになります。

調剤事業はスギ薬局

調剤事業は地域医療対応したドラッグストアを展開するスギ薬局は調剤業務や一般薬・化粧品の販売を行っています。

ヘルスケア事業はジャパン

食品や日用雑貨などを主に扱うジャパンは関西・関東エリアを中心に展開していて健康生活のサポートを行っています。

在宅医療事業はスギメディカル

訪問看護事業、居宅介護支援事業を行っているスギメディカルは訪問看護ステーションを立ち上げ看護師やリハビリテーションスタッフが在宅に訪問を行っています。

居宅介護支援事業ではケアマネジャーが利用者、ご家族の生活の安全と安心の向上を図るためケアプランを作成してサービス事業者の調整を行っています。

決算書を見てみましょう!

決算書では各セグメントの記載が省略しているためスギHDの全体を見ていきます。

2019年2月期の連結決算によると、売上高4884億6400万円は前期比6.9%増益になりました。

増益の大きな理由として調剤事業の更なる成長に向けたクリニック併設店舗の拡大にあります。

今期は102店舗の新規出店し、62店舗を改装、17店舗の閉店を実施して今期の連結会計年度末における店舗数は前期末と比較して85店舗増加し、1,190店舗となりました。

営業利益、経常利益は?

営業利益258億1700万円は前期比の4.3%増益になりました。

経常利益272億3700万円は前期比の5.2%増益になりました。

きちんと本業での利益を出しているのがわかります。

売上総利益率は?

売上総利益率が前年比の0.34%アップの29.13%は素晴らしいです。

2017年はダウンしましたが、それ以降企業努力で上昇しています。

理由として薬剤師・ビューティアドバイザーなどの専門家によるカウンセリング販売の強化や調剤機器の導入により薬剤師の生産性の向上とスギHDは見ています。

バランスシートは?

グラフを見てみると固定資産の割合が増えています。

主に建物及び構築物が67億41百万円、差入保証金が18億87百万円、土地が13億17百万円増加したことによります。

自己資本比率は62.74%と良い状態です。

財政の健全性も支払い能力も言うことありません。

キャシュフローは?

財務キャシュフローが多い理由として自己株式取得のものです。

心配なのは年々フリーキャシュフローが減少傾向な事です。

少ないと店舗を増やしたりするのに資金困難になる可能性があります。

ただ、スギHDは今が勝負だと思っているのかもしれません。

ココカラファインとの経営統合に関する検討・協議開始した理由も決算書で少し見えてきたと思います。

  

   

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