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ハーセプチン注射用6 0が自主回収に
2 0 2 0 年3月1 6日、中外製薬はハーセプチン注射用6 0が自主回収になると発表しました。
ガラス異物の混入が否定できないこと、また現在流通中であることから、患者さんの安全を最優先し、回収させていただくことといたしました。
「ハーセプチン®注射用6 0 」 自主回収に関するお知らせより
回収する理由は?
医療機関からバイアル内にガラス異物が混入しているという報告により中外製薬は調査しました。
調査した結果、製造ラインでバイアル破損が発生し、その破片が混入した可能性が高いため、回収することになりました。
健康被害は?
現在のところ健康被害の報告はありません。
中外製薬は目視が可能な大きさのガラス片が混入していた場合、溶解時に確認が可能な為、投与される可能性は極めて低いとしています。
回収対象製品の製造番号は?
回収対象製品の製造番号は19C080Eです。
ご確認ください。
ハーセプチン注射用ってどんな薬?
ハーセプチン注射用はヒト化モノクローナル抗体 抗悪性腫瘍剤です。
HER2過剰発現が確認された乳がんおよび治癒切除不能な進行・再発の胃がんの治療に用いられます。
HER2はがん細胞の増殖を促進する指令をだし、がん細胞がどんどん増殖していきます。
そして、このタイプの乳がんは進行が早いことが知られています。
ハーセプチン注射用はがん細胞の増殖に必要なHER2というたんぱく質の働きを選択的に抑えることにより、がん細胞の増殖を抑えます。
ハーセプチン注射用は細胞表面のHER2受容体に特異的に結合した後、ナチュラルキラー細胞、単球を作用細胞とした 抗体依存性細胞障害作用により抗腫瘍効果を発揮します。
また、ハーセプチン注射用は細胞表面のHER2受容体に結合し、HER2受容体数を低下させることにより細胞増殖を抑制するとの機序も考えられています。
一般名はトラスツズマブです。
名称の由来
HER:HER2蛋白、CEPT:「targetする」という意味の接尾語、PTIN:Protein(蛋白質)に由来。
→HER2蛋白をターゲットとした薬剤(蛋白質)の意味。
ハ-セプチン® 注射用60 ハ-セプチン® 注射用150のインタビューフォームより
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