現在私が勤めている調剤薬局は市販薬も販売しています。
ガスター10はロキソニンSの次に販売実績が多い医薬品です。
病院の薬を調剤する時と市販の医薬品の販売は微妙に気をつけるポイントが違います。
今回はそのことを書かせて頂きます。
目次
胃痛、胸やけ、もたれ、むかつきです。
現在勤めている薬局でのお求めになるお客さんの特徴は40代から60代位の男性が多いです。
地域によって違うと思いますが働き盛りの男性が多い印象です。
胃カメラかバリウムしたことありますか?と聞いてみると、 忙しいから病院いけないと返答されます。
胃粘膜壁細胞のH2受容体をブロックして過度な胃酸分泌を抑え、胃の粘膜の修復を促します。
現在、処方せんでよく処方される消化性胃潰瘍治療薬はタケキャブ、ネキシウムなどですが、ガスターは販売当初はかなり処方された薬でした。
ガスターの販売開始が2000年9月なので時代を感じます。
現在はスイッチOTCとして第1類医薬品で販売されていますが、当時は処方せんなしで購入できる時代になるとは思いもしなかったです。
紙面で説明文章を使用してから販売をしていますが、服用してはいけない方を見逃す場合があり、口頭で再度確認するようにしています。
病院の薬を調剤する時と市販の医薬品の販売は微妙に気をつけるポイントが違います。
お話して大体は販売するのですが、販売をお断りする場合もあります。
私の経験の中で販売をお断りすることが多いのは以下の3つのタイプです。
そして見逃す可能性があるのポイントでもあります。
① 貧血の方 ② 肝機能が悪い方 ③ 心臓に疾患を持っている方。
医師から赤血球数が少ない(貧血)、血小板数が少ない(血が止まりにくい、血が出やすい)、白血球数が少ない等の血液異常を指摘されたことがある人 (本剤が引き金となって再び血液異常を引き起こす可能性があります)
ガスター10 医薬品を正しく購入するための説明文書より
女性の場合には必ず再度聞いています。
男性も貧血の方がいます。
女性は月経があるため貧血が多い印象ですが、男性も健康診断で貧血の項目で要検査になっていると言う方もいます。
次の人は服用しないで下さい。 医療機関で次の病気の治療や医薬品の投与を受けている人 血液の病気、腎臓・肝臓の病気、心臓の病気、胃・十二指腸の病気、ぜんそく・リウマチ等の免疫系の病気、ステロイド剤、抗生物質、抗がん剤、アゾール系抗真菌剤
ガスター10 医薬品を正しく購入するための説明文書より
肝機能の数値が悪い方や心筋梗塞になったことがある方などは代謝・排泄が遅れて、作用が強くあらわれるおそれがあります。
どうしても欲しいと言う方は病院にかかって処方してもらうか、違う市販薬をすすめています。
ガスター10を購入するために薬剤師がいる薬局を探してきたのにもかかわらず、購入できないとなると不満そうな顔をされます。
欲しいものが買えないのはストレスですし、時には怒りに変わるのもわかります。
売りたくないというわけではなく、お買い求めになる方の健康を考えての判断なのです。
納得されて帰る方もいれば納得しない方もいて、わざわざ探して来局していると考えると大変心苦しい時もあります。
病院の薬を調剤する時と市販の医薬品の販売は微妙に気をつけるポイントが違います。
紙面の説明文章を使用して販売することは絶対ですが、服用してはいけない方を見逃す場合がありますので気をつけてください。
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