日本調剤は全国に展開する大手調剤薬局です。
大学病院、総合病院の門前薬局の印象が強いと思います。
日本調剤は4月26日、2019年3月期連結決算を発表しました。
決算では貴重な情報や企業の方針がわかるので私は見る事が多いです。
日本調剤は大きく、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業、医療従事者派遣・紹介事業の3つの事業をしています。
日本調剤全体の売上を見ていきたいと思います。
売上高が前期比1.8%増の2,456.87億円で堅調に上がっています。
調剤報酬の改定、薬価改定などある中、このように売上が上がっていくのは経営方針が良いからだと思います。
調剤薬局事業では1年間で新たに32店舗出店しています。
期末店舗数598です。
ただ、19店舗閉店しています。
理由はわかりませんが、日本調剤の中で厳密な基準があるのだと思います。
M&Aを6店舗していますが引き続き積極的にM&Aをする方針は変わらないそうです。
細かく見ていくと売上を牽引しているのが医薬品製造販売事業です。
医薬品製造販売事業の売上高は前期比6.8%増で調剤薬局事業の業容拡大に伴う内部売上高の増加によるものだと分析しています。
次に営業利益を見ていきたいと思います。
目次
営業利益が前期比36.4%減の67.33億円で減収となりました。
営業利益はかなり下がった理由は2つあり、調剤報酬及び薬価の改定の影響によるものと
薬の価格の値引きだと思います。
医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドラインが平成3 0 年1 月2 3 日に通知されました。
以前から医薬品の過大な値引き交渉は卸売販売業の方にとって大きな問題でした。
日本調剤もその影響を受け調剤薬局事業は営業利益29.8%減と大幅な減益となりました。
簡単に計算しますが、期末店舗数598なので、月だと約1980枚です。
基幹病院や大きな病院の門前の処方箋単価は高いです。
1店舗当たりの1か月の売上は2933万になりますね。
調剤薬局で勤めている方なら比較してください。
規模の大きさがわかると思います。
ジェネリック医薬品の数量ベース使用割合は、2019年3月末時点で全店舗合わせての平均が87%に達しています。
国が2020年9月までに80%とすることを目標にしていますので目標はクリアして平均を上げて素晴らしいです。
日本調剤の良いところは国の方針に遵守するところだと思います。
398名ってすごいですね。全部新卒の薬剤師です。
日本調剤は薬剤師を人財として見ています。規模、在宅、店舗を増やす為にも薬剤師が必要になってきます。
2019年4月に「調剤業務のあり方について」の通達がありましたが今のところ日本調剤の方針は変わらず薬剤師を積極的に採用する方針です。
ただ、今後方針が変わる可能性もありますので注視する必要があります。
日本調剤瀬戸薬局(愛知県瀬戸市)が、愛知県の国家戦略特別区域(特区)における遠隔服薬指導を実施
他の企業もしていますが、限られた地域で遠隔服薬指導を行っています。
新しい取り組みを経験している事は大変メリットです。
課題、難しいところを先に把握し、解決策を考え顧客のニーズに応えていくことはかなりのアドバンテージです。
患者の関心を呼ぶこともできます。
調剤薬局事業では、引き続き出店戦略により増収計画をしています。
医薬品製造販売事業では、 19年10月、20年4月と、2回の薬価改定の影響はあるものの、利益横ばいと見ています。調剤薬局事業の出店数により変化しそうですね。
医療従事者派遣・紹介事業では増収増益の計画をしています。
上場している会社は決算を公開しています。
法人の方針がわかるので見てみるのも面白いと思います。
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