目次
現在勤めている薬局は調剤と市販薬を販売している併設型の薬局です。
市販薬を販売していると幅広い健康の事で相談に来ます。
中には薬局では対処が難しい相談内容があります。
その中の一つに市販で眼軟膏が欲しいと相談しにくるお客さんがきます。
市販薬で眼軟膏はありません。
眼科に受診するようにお話させて頂きます。
中には普通の軟膏を眼の中に塗ってもいいですか?っていうお客さんがいますが絶対塗ってはいけません。
眼軟膏は日本薬局方で規定されています。
眼軟膏剤は,結膜嚢などの眼組織に適用する半固形の無菌製剤である.
日本薬局方より抜粋
本剤は,別に規定するもののほか,無菌試験法〈4.06〉に適合する.ただし,別に規定するもののほか,メンブランフィルター法により試験を行う.
本剤は,別に規定するもののほか,眼軟膏剤の金属性異物試験法〈6.01〉に適合する.
本剤中の粒子の最大粒子径は,通例,75 μm以下である.
眼軟膏は軟膏よりも厳しい条件で製造しています。
眼軟膏は眼の中に塗る薬なので無菌製剤に規定されています。
そのため、無菌試験法やメンブランフィルター法に適合しなければいけません。
粒子の最大粒子径は75 μm以下とされています。
医薬品は機械で製造されますが、小さい金属片や異物が入っていないか確認する金属性異物試験法に適合しなければなりません。
眼の中に塗る薬なので厳しく規定されており、皆様の健康を守っています。
眼の近くに症状があり、市販薬を求めるお客さんがいる場合は必ず部位を確認させて頂いています。
眼に入りそうな「まぶた」などは眼科に受診をすすめています。
顔や体の部位によって軟膏の吸収する速度が違います。
ヒドロコルチゾン(基剤:ワセリン)を適用した後の部位別吸収度の違い
基礎からわかる外用剤 マルホ
前腕(裏側)を経皮吸収率1.0とした場合の吸収度の目安
部位 経皮吸収率
頭皮 3.50
前額 6.00
頰部 13.00
背部 1.70
腋窩 3.60
前腕屈側 1.00
前腕伸側 1.10
手掌 0.83
陰囊 42.00
足底 0.14
足関節 4.20
体の部位によって皮膚が薬を吸収する速度が違うので、吸収率の高い部位にできた炎症には弱めの外用薬、吸収率の低い部位には強い外用薬が選ばれます。
顔でも前額 6.00、頰部13.00では約2.2倍違います。
眼の周りは少しデリケートな部位でもあります。
2つとも目の周りにも使える、非ステロイド性のクリームです。
成分はウフェナマート、グリチルレチン酸の両成分が抗炎症作用で赤みなどを抑え、抗ヒスタミンであるジフェンヒドラミンが痒みを抑えます 。
もし眼の周りに症状があるお客さんが来ましたらパッケージにも書いてありますので、おすすめしてみたら如何でしょうか?
こんな記事も書いてます。