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ある時、ある患者さんが頭痛で悩んでおり、薬の相談があると呼ばれて対応しました。
その方の相談内容は、30代女性の方で普段月3回位、頭痛があり、市販の薬を服用すれば治まるそうです。
しかし、天気が悪くなる前日から頭痛が酷くなり市販の薬を服用しても良くならないのでどの薬が良いか相談しに来たそうです。
3ヶ月前に頭部のMRIの検査をして特に問題なかったということなのである漢方薬をおすすめしました。
この方には五苓散を紹介しました。
五苓散は、5つの生薬を使用した漢方薬です。
五苓散は傷寒論、金匱要略に記載されている漢方薬で沢瀉、蒼朮、猪苓、茯苓、桂皮の5つの生薬から組成されています。
天気が悪い時に起こる頭痛は気圧の変化で自律神経が乱れ、水分が滞り血管が拡張することで頭痛が起こると言われています。
五苓散は体内の水分調節をおこなう漢方薬で余分な水分を排出して体内の水分の循環を改善します。
人間の体は気圧の変化を感じると交感神経が働き、脳の血管が拡張し、三叉神経が刺激されて発痛物質のブラジキニンや、痛みの感受性を高めるプロスタグランジンが産生されます。
放出されたブラジキニンやプロスタグランジンが反応して、さらに血管が拡張、血管血流量が増加します。
このようにして悪循環が起こり、頭痛が生じると考えられています。
最近漢方も研究されており、五苓散は、細胞表面に存在する水チャネルであるアクアポリン、特にアクアポリン4を強く阻害して改善するのではないかと言われています。
他にも2021年3 月、熊本大学とロート製薬の共同研究で気圧低下で起こる脳血流量増加に対する五苓散の抑制効果を確認したと発表しました。
release210318.pdf (kumamoto-u.ac.jp)
五苓散は色んな会社から販売されています。
顆粒タイプ、錠剤、お子さんにも服用できるタイプがあります。
顆粒タイプ
錠剤タイプ
1才以上から服用できるタイプ
今回は天気が悪い時に起こる頭痛におすすめの薬を紹介させて頂きました。
服用しても症状が良くない場合はすぐに医療機関にかかるようにしてください。