処方せんは医師が患者に薬物治療などのために交付し、その処方せんに基づき保険薬局が調剤をします。
調剤薬局で働いている薬剤師なら処方せんでの問題に直面した経験があると思います。
今回はその処方せんで直面した問題を紹介したいと思います。
以下の3つの事をお話しようと思います。
目次
現在勤めている薬局は門前の病院以外の病院、クリニックなどの割合がおよそ30%占めております。
電車や車など1時間位かけて医療機関にかかる方も多く、病院からFAXをしてくれる方もいらっしゃいますし、直接処方せんを持ってくる方もいらっしゃいます。
移動で疲れて後日、来局される方もいます。
家に帰ってしまうとどうしても病院に行ったことで満足してしまいお薬を取りにいくのを忘れることがあります。
処方せんの期限を知らない人がいます。
処方せんの期限は4日以内なのですが期限あることを知らない方もいます。
応処方せんにも書いておりますが小さくてわかりにくいですし、処方せんをじっくり見る方は全体の半分もいないのではないでしょか。
処方せんの期限が切れていると説明する時に患者さんの反応が2つに分かれる。
処方せんが切れていることを説明すると怒り出す方と知らなかったと謝る方がいます。
どちらの場合でも医療機関に連絡して処方せんの期限を延長してもらいます。
怒り出す方はどうにか思い通りにしたくて怒っているのだと思います。
中にはこちらのせいにする人もいて、なんでそんな考え方しかできないのかなと思い悲しくなります。
薬局でお話できる時間というものは短いのでその人を把握することは大変難しいです。
こういうことがあると人間性が垣間見えますので一つのバロメーターにしております。
ある時近くのクリニックの処方せんをある患者さんが持ってきました。
処方せんを見ると薬名だけボールペンでふらふらした二重線で消してありました。
二重線で消した後の上に医師の印鑑も押してない状況です。
なんだか怪しいなと思い患者さんに処方せんのことを聞いたら残っている薬はいらないから消したとおっしゃいました。
処方せんに患者さんが記入することは有印私文書偽造という罪に問われますのでやんわりと残薬があるならこちらで対応しますので、次からはクリニックか薬局に言ってもらえれば削除してほしいと言ってくださいねとお話させて頂きました。
クリニックの疑義照会をして必要ない薬を削除してもらい事情を話して処方せんを再発行してもらいました。
医療機関から発行してもらった処方せんに勝手に手を加えることは有印私文書偽造という罪に問われます。
カラーコピー機を使用した偽造処方せんによる事件が社会問題となったこともあります。
もし、そのような時にどうするかマニュアルを作成しておくことをおすすめします。
処方せんの朱肉の色が不自然でないか?
カラーコピーかどうかの判断になると思います。 医療機関によっては複写無効という文字が浮かび上がるコピーガードの処方せんなど採用しているのでそういうところを元にした偽造処方せんは考えにくいと思います。
保険者番号がレセコンに入力した際にエラー表示にされてないか。 エラーが表示される場合は実在しないので番号の可能性があります。
医療機関の入力ミスも考えられますので必ず保険証を確認することをおすすめします。
ありえない用法、用量、規格、剤型、投与日数で処方されていないか 向精神薬の処方日数は制限があります。
その為か私の記憶では向精神薬が記載された偽造処方箋での事案が多い印象です。
疑わしい時は医療機関に疑義照会を 疑わしい時は処方せんの交付をしたかどうか、処方せんの内容を医療機関に確認することだと思います。
今回は処方せんのトラブルをご紹介しました。
どの業界も仕事をしていると色々問題が起こります。
その時に気付きどういう対処したかが大切だと思います。
こんな記事も書いてます。