今週、あるニュースが報道され衝撃を受けました。
ニュースの内容は2018年4月、山梨にある薬局で60代の患者に処方箋ではワーファリン0・75mgと処方されていたところ1・5mgを誤ってし、調剤した事がわかりました。
患者さんは服用して脳内出血を起こましたが、現在は回復にむかっているそうです。
患者が再受診した際、誤った量だと医師が気づき、薬局に指摘して判明しました。
目次
ワーファリンは直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)が発売されてから調剤する機会が減りましたが、まだまだ処方され調剤する事が多い薬です。
出血のリスクがある薬なのでよく用量が変わる薬です。
過去にもワーファリンの調剤事故は何回も起っています。
東京都足立区の「東京医療第一薬局」で同薬局に勤務していた薬剤師が、抗血栓剤のワーファリン(一般名:ワルファリンカリウム)の量を間違えて多く調剤し、同剤を過量服用した82歳の男性患者が2008年9月に死亡した事故で、警視庁捜査一課は8月18日、過誤の際に薬剤の調製(ピッキング)を行っていた37歳の女性薬剤師と、薬局長で過誤の際に鑑査を行っていた59歳の男性薬剤師の2人を、業務上過失致死の容疑で書類送検した。
DIオンライン
調剤事故のニュースを見ると、いつもいたたまれない気持ちになります。
現在、監査も機械ですることが多くなっていますが、導入していない薬局もあると思います。
調剤事故はどのようにすれば防げたか?
処方箋に0・75ミリグラムと記載されていたのに、薬局事務員が1・5ミリグラムとパソコンに誤入力。
薬剤師は印字された数値をもとに調剤し、処方箋との違いに気づかなかったという。薬局から報告を受けた県中北保健所が翌5月、管理薬剤師に手順書通りに調剤するよう指導し、従業員への周知も求めた。
朝日デジタル より
処方箋を見ながら調剤や監査、服薬指導をしていればこのような調剤事故は起こらなかったと思います。
薬剤師は処方箋を見ながら調剤、監査、そして服薬指導をする必要があります。
保険薬局において健康保険の調剤に従事する保険薬剤師(以下「保険薬剤師」 という。)は、保険医等の交付した処方せんに基いて、患者の療養上妥当適切に 調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない。
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第 8 条
ワルファリン製剤には0.75mgという規格はなく、ワーファリン0.5mgの規格がありますので、
ワーファリン0.5mgとワーファリン0.5mgを半錠(0.25mg)で調剤します。
半錠する際にはPTPシートから出して半錠にしますが、半錠した際のPTPシートの空を監査する薬剤師が監査するまで捨てないで、分包した半錠の脇に置くことで監査時に見逃すことはないと思います。
もしバラ包装ならボトルごと横に置くことをすすめます。
監査した際に調剤録にPTPシートの帯を調剤録に貼る事で薬歴に書く際に確認できます。
間違えて調剤したの事が医師に言われるまで気付かなかったという事はなかったと思います。
このような調剤事故はヒューマンエラーで済まされないことです。
対岸の火事とは考えず自分の事と捉えて考えてみては如何でしょうか?
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