ザンタックなどのラニチジンを含有する製剤が出荷停止になっています。
アメリカ食品医薬品局及び欧州医薬品庁より、ラニチジン塩酸塩製剤及び原薬から発がん性物質N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が検出されたと発表しました。
これに伴い厚生労働省は9月17日付でラニチジンと類似化合物の同ニザチジンを製造販売する製薬会社に対し、発がん性物質N-ニトロソジメチルアミンが含まれていないか分析の要請をしました。
9月 30 日までに、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・ 麻薬対策課宛て報告することになっています。
ラニチジンの分析結果が明らかになるまで出荷停止になりました。
目次
今のところ、ニザチジン製剤は発がん性物質N-ニトロソジメチルアミンが検出されていません。
しかし、ニザチジンは類似化合物ということで分析はしますが、出荷停止の指示でていません。
N-ニトロソジメチルアミンは自然に存在する前駆物質が化学反応することによって生成されます。
N-ニトロソジメチルアミンの前駆物質は大気中、水、土壌のあらゆるところに存在します。
食品にも前駆物質が含まれ、肉や魚ではジメチルアミン、野菜では硝酸塩、亜硝酸塩から体内で N-ニトロソジメチルアミンが産生されることもあります。
その他には化粧品、ゴム製品、タバコ製品などからも発生し日常的に暴露しています。
そして、N-ニトロソジメチルアミンの発がん性を検討した試験が多数行われ、主に肝腫瘍を誘発することが示されています。
分析は、バリデーションされた方法であって、適切な検査水準にて実施する必要がある。なお、検査方法は以下の参考情報を参照するとともに、NDMAが 0.32ppm 以下※であることを確認できるような検査水準で分析を実施 すること。 また、分析の結果、0.32ppm を上回ることが否定できない場合には、取引先等への情報提供及び市場に流通している製品の回収を検討すること。
※ 平成 30 年度第9回医薬品等安全対策部会安全対策調査会における報告のとおり、NDMAの許容摂取量が 0.0959µg/日であることから、ラニチジン塩酸塩及びニザチジンの一日の最大用量(300mg)から算出し、0.32ppm を水準とする。
ラニチジン塩酸塩等における発がん性物質に関する分析について(依頼) より
NDMAが 0.32ppm 以下なら問題なし、0.32ppm以上なら回収ってことですね。
N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)
ザンタック(ラニチジン) ザンタックpmdaより
構造式を見てみると何とも言えないですね。
窒素が含有されているので条件的では可能性がありそうですね。
ザンタックの名前の由来
Zantac の頭文字 Z は、アルファベットの最後という点から、他剤の商品名との区別化を意図し、antac は antacid の前 5 文字から選択しこれらを組み合わせて、Zantac なる商品名とした。
ザンタックのインタビューフォームより
アシノンの名前の由来
胃酸を示す“acid”とこれがないという“non”を組合せた名称
アシノンのインタビューフォーム
ザンタック錠は1984 年に承認を得て発売された薬です。
アシノン錠が現在、市場にでていますが、最初はアシノンカプセルが1990年6月に製造承認を得て発売されました。
共に30年前位に発売されたお薬です。
日々人の健康を守るためにアメリカ食品医薬品局、欧州医薬品庁は調査しているのですね。
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