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「コンタクトレンズ用精製水ってありますか?」という電話での問い合わせがありました。
精製水はあるけど、コンタクトレンズ用精製水は聞いたことがありませんでした。
お相手には調べるために折り返し電話しますということで一旦電話を切らせてもらいました。
精製水は小児用シロップ、試薬などの調剤に使用し、注射剤,点眼剤の調製には使用したらいけないのでコンタクト用精製水ってないのかなって思って調べました。
調べたらありました!
精製水とコンタクトレンズ用精製水との違いはあるのでしょうか?
両製剤ともに水道水を活性炭ろ過、フィルターろ過(1μm)、イオン交換樹脂、紫外線殺菌、高温処理(130℃、5秒)などの工程を経て製造しており、内容成分は同じです。
ただし精製水は一般用医薬品(第3類)、コンタクトレンズ用精製水は雑貨品になります。
健栄製薬 よくある質問より
製造が同じっていうことは医薬品、雑貨の区分の違いだけなのですね・・・。
ソフトコンタクトレンズの洗浄、保存にはそのままでは使用できません。
コンタクトレンズの保存液とは浸透圧が違いますので使い捨てコンタクトやソフトコンタクトの保存液としては使えません。変形の可能性があるため使用できないので注意が必要です。
コンタクトレンズ専用容器の洗浄に使用するには問題ないですね。
覚えないといけない記憶は忘れ、辛い、苦しい、悲しい記憶は数年経っても忘れないですね・・・。
2011年3月23日、東京都葛飾区にある金町浄水場の水道水から放射性ヨウ素を検出したと東京都は発表しました。
乳児の飲み水についての国の基準を超えるため、東京23区と多摩地域の5市を対象に、乳児に水道水を与えるのを控えるよう呼びかけました。
プレスリリースする2日間前位に東京都薬剤師会からも水道水を使用しないよう通達がありました。
その情報を知った時は大きな衝撃を受けました。
当時勤めていた調剤薬局は小児科が近くにありましたので賦形するためすぐに単シロップを注文しましたが、2本位しか購入できなく、東日本大震災前に製造された精製水を使用しました。
医薬品の供給は災害、震災などで大きく左右されることがあります。
チラーヂンSの供給が困難になったことを覚えている人は多いと思います。
精製水とは常水のイオン交換、蒸留などの組み合わせにより精製したものです。
薬の溶剤として製剤,試液,試薬の調剤などに使用されます。
注射剤,点眼剤の調製に用いることはできません。
滅菌精製水は精製水を滅菌したものです。
溶解剤として無菌を条件とする製剤の調製、医療器具の洗浄に使用されます。
発熱性物質試験をしていないので注射剤などの調整には使用できません。
注射用水は精製水を滅菌し発熱性物質試験に適合したものです。
注射剤の溶解希釈剤、注射剤の製剤に使用されます。
注射用水を蒸留法により製造した場合は注射用蒸留水と表示することができます。
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