コスモス薬品が7月12日に2019年5月期決算を発表しました。
目次
コスモス薬品は、九州地方を地盤に展開するドラッグストアです。
今では関東3店舗、中部36店舗・関西138店舗・中国168店舗・四国111店舗・九州545店舗と着々と店舗を増やしています。
価格競争力を高めて品質が良い商品をより安価で販売できるように努めています。
コスモス薬品は日本で初めて小商圏をターゲットとしたメガドラッグストアを多店舗展開するビジネスモデルを構築しました
コスモス薬品 ホームページより
商圏とは来店していただけるお客さんの距離的な範囲を商圏と呼んでいます。
来店する方法は徒歩、自転車、車、公共交通を使用する人と様々ですが高密度店舗展開しています。
徹底した低コスト化を追及しながら接客サービスとも両立させています。
そして次のようなことも書いてありました。
小商圏を制する者が小売業を制する
コスモス薬品は、あえて小さな商圏に可能な限りの大型店(売場面積2,000平米または1,000平米)をつくり、その地域にお住まいの方にとって最も便利の良い店舗をつくることを基本コンセプトとしております。
コスモス薬品が考える小商圏とは、商圏を自ら分割して他社の入り込む余地がない程の小さな商圏を意味します。
コスモス薬品 ホームページより
小商圏に対して売場面積2,000㎡の店を1店舗出店するというのがコスモス薬品の基本方針です。おおよそスーパーマーケットの売場面積は1,000㎡なので大型店っていうのがわかります。高密度の店舗網を展開しています。
他のドラッグストアやスーパーでは特売日やポイントデーなどで集客していますが、コスモス薬品では特売日を作らず、ポイントカードも2003年5月に廃止しました。
当社が日替わりや時間帯別の特売やポイントカードを廃止したのは、「おとり販売」はやめて毎日安い価格を継続させてこそ消費者からの「信用」を勝ち得ることができると考えたからです。
コスモス薬品 ホームページより
現在、どこのドラッグストアも一般食品の販売に力を入れています。
医薬品だけで集客を図ることは難しいです。
一般食品は購入頻度が高いので集客を図ることができます。
利益率が高い医薬品をついでに買ってもらう戦略をとっています。
コスモス薬品は他のドラックストアよりもかなり一般食品の割合が高いです。
一般食品が56%を占めているのはスーパーマーケットとってかなり脅威だと思います。
売上高は前期比9.5%増の6111億円になりました。
過去最高を更新しました。
コスモス薬品は新規出店のみで店舗を増やしていますので9.5%というのは驚異的な数字と見ていいと思います。
営業利益は前期比8.9%増の247億円でした。
営業利益も過去最高を更新しました。
経常利益は前期比8.1%増の272億円でした。
売上総利益率は19.93%であまり変動がありません。
うまくコントロールしているのかなっと思っています。
売上総利益率のバランスがコスモス薬品の企業成長するポイントの1つです。
高すぎると価格競争など負けてしまいますし、低すぎると社員の給料や株主への還元が少なくなります。
流動資産と流動負債・固定負債の割合が悪いのが気になるところです。
自己資本比率は46.17%で前年より2.72%増やしています。
前年よりは良いのですがフリーキャシュフローが少ないのが気になります。
運転資金も-703百万円で、M&Aをするわけではないので良いのですが、少し余裕があればなと思っています。
キャシュー・コンバーション・サイクル(CCC)は販売に伴う現金回収までの日数を意味し、日数が小さいほど資金繰りが良い指標になります。
ほとんどの企業は+だと思いますがコスモス薬品は違います。
今年は-0.56でここ3年間はマイナスでかなり在庫管理、資金繰りを徹底してコントロールしています。
コスモス薬品はローコストオペレーションで物流システムの効率化とコスト削減をはかっています。
2019年日本のドラッグストア業界の順位は
第1位はツルハHD
第2位がウエルシアHD
第3位にコスモス薬品
になりました。
ツルハHDは1位返り咲きですが、コスモス薬品の今後の動向はドラックストア界、スーパーマーケット界でかなり注目をしていると思います。
コスモス薬品は調剤併設の店舗は1店舗しかありません。
そして、他のドラックストアとはまったく別の企業戦略です。
10月には消費税も上がる予定です。
景気の動向もわかりません。
消費者の購買意欲は敏感に反応します。
今後も目が離せない合併の話もあります。
引き続き注視していきたいと思います。
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