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2019年7月にアステラス製薬はオーラップ錠1mg、オーラップ錠3mg、オーラップ細粒1%を製造中止すると発表しました。
永年に亘りご愛顧を賜って参りました「オーラップ錠1mg」「オーラップ錠3mg」「オーラップ細粒1%」につきまして諸般の事情により販売を中止させていただくこととなりました。
「オーラップ錠1mg」「オーラップ錠3mg」「オーラップ細粒1%」販売中止のご案内
諸般の事情と書いていますが抗精神薬も日々、新しい薬もでているので需要がなくなったのでしょうか?
リスパダール、エビリファイ 等を代替品として薦めています。
オーラップは併用禁忌が多い薬でした。
オーラップと併用禁忌の薬
ざっとみても併用禁忌の薬が多いですね。
薬局ヒヤリハットの事例では併用禁忌関連で29例報告されています。
多いのはオーラップを服用中の患者にフルボキサミンマレイン酸塩錠、パロキセチン錠、レクサプロ錠、セルトラリンが処方された事例で次にオーラップを服用中の患者にクラリスロマイシンなどの抗生剤が処方された事例が多いです。
オーラップの添付文章には書いていない薬で併用禁忌があります。
オーラップとQT時間延長を起こす可能性のある薬は併用禁忌です。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
スルトプリド(バルネチール)等
オーラップ 添付文章より
「等」で済ませているのはどうかなっと思います。
QT時間延長を起こす可能性のある薬はきちんと記載するべきではないかと思います。
調べた際に薬名を書いてければ併用禁忌だと見逃さないと思います。
QT時間延長を起こす可能性のある代表的な薬として
シメチジン、ファモチジン、ラニチジン(2019年10月 自主回収中)
ニューキノロン系、マクロライド系、ケトコナゾール
フルコナゾール、イトラコナゾール、メトロニダゾール、ST合剤
Ia群、Ic群、III群薬、ベプリジル
アミトリプチリン、イミプラミン、クロルプロマジン、スルピリド、フェノチアジン系抗精神病薬、ハロペリドール、リスペリドン、フルボキサミン、セルトラリン
ドロペリドール
リトナビル、インジナビル、アマンタジン、フォスカルネット
タモキシフェン
タクロリムス
プロブコール
シサプリド
他にもあります。
薬局ヒヤリハットの事例でオーラップとファモチジンの併用の事例が報告されています。
添付文書では記載がなく、アステラス製薬に問合せをしたところ、QT延長を起こすことが知られている薬剤すべてにおいて禁忌だとわかり、処方削除になったと報告されています。
製薬メーカーは添付文書の役割を考えて対応するべきだと思います。
添付文書は薬の重要な事が書いてあると薬剤師は思っています。
まさか重要な併用禁忌の一般名が書いてないとは思っていないと思います。
添付文書は薬を服用する患者さんの安全を確保し、医薬品の適正使⽤を図るために作成されています。
是非、併用禁忌の薬は、添付文書上に一般名でもいいので全部、記載するよう医療現場からお願いしたいと思います。
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