2019年6月からパーキンソン病治療薬アジレクト錠が長期投与可能になりました。
先月の中旬からポツポツと処方になり患者さんも服用して問題なさそうです。
目次
アジレクト錠はエフピー錠に続く2番目のMAO-B阻害薬です。
エフピー錠は覚せい剤原料ですが、アジレクト錠はアンフェタミン骨格を有さないため覚せい剤原料ではありません。
エフピー 赤い線がアンフェタミン骨格
アジレクト
覚せい剤原料だと管理が大変なので薬局としてもアジレクトに今後切り替わってくれると期待しております。
ラサギリンメシル酸塩
ラサギリンは非可逆的かつ選択的なMAO-B阻害作用を示し、線条体における細胞外ドパミン濃度を増加させる。ドパミン濃度の上昇により、ドパミン作動性運動機能障害を改善する
通常、成人にはラサギリンとして1mgを1 日1 回経口投与する。
エフピーは1日5mg以上で1日2回の服用ですが、アジレクト錠は1日1回の服用ですむのでエフピーより期待は高いです。
エフピーは眠れなくなる可能性があるので朝昼食後服用となっています。
お昼に服用忘れる可能性があるので1日1回はコントロールしやすくなるのではないかと思います。
食事の影響
健康成人(18例)にラサギリンとして2mg※を単回経口投与した時のバイオアベイラビリティに及ぼす食事の影響を検討した。空腹時投与と比較して、ラサギリンのCmaxの平均値は食後投与で約60%の低下が認められ、AUClast及びAUC(0→inf)の平均値は食後投与でそれぞれ約23%及び約22%の低下が認められた。
アジレクト 添付文章より
影響受けるなら用法は食前になってないのかなと不思議に思いました。
ラサギリンのAUCは空腹時投与と比較して食後投与で約20%低下することが示されたものの、本薬1mgを食後投与したときのAUCはPD患者を対象とした133試験おいて有効性が示された本薬0.5mg投与時よりも高くなると考えられることから、臨床薬理学的な観点からは本薬1mgを食後投与した場合にも本薬の有効性は期待できると考えられる。
またレボドパ非併用のPD患者を対象とした国内第Ⅲ相試験(CCT-001試験)及び国内長期投与試験(OCT-001試験)、並びにレボドパ投与中のPD患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(CCT-002試験)及び国内長期投与試験(OCT-002試験)では、治験薬の投与タイミング「朝食前又は朝食後」は治験期間を通じで変更しないこととされていたことから、これらの臨床試験成績に基づき、本薬の有効性に及ぼす食事の影響を検討したところ、朝食前投与と朝食後投与の比較では一貫した傾向は認められなかった。
以上により本薬は食前投与又は食後投与によらず投与可能であると考え本薬の用法用量に食事の規定を設定しなかった。
アジレクト錠0.5mg 同錠1mg武田薬品工業株式会社 審査報告書
食前でも食後でもいいって事ですね。
処方医によっては食前で処方になる可能性もありますね。
アジレクト錠が処方された場合は必ず併用薬を確認するようにした方が良いですね。
併用禁忌が多い薬だと意識してください。
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